こんな症状があれば、
診察を受けましょう
- 針が抜けてフケが多い
- 下痢をしている
- しこりがある
- フラフラしている
- 食欲がない
- 出血している
飼育について
現在の日本で飼育が可能なハリネズミは、アテレリクス属のヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)に限られています。ヨツユビハリネズミは本来、日本の気候では健康維持が難しく、万が一逃げ出したとしても生態系への影響は少ないという判断から、輸入が許可されているのです。日本は四季を通じて寒暖差があるため、ハリネズミの飼育には温度や湿度の適切な管理が重要です。ハリネズミの生態は未だに未知な部分が多く、診療に対応する動物病院もまだまだ足りていません。当院ではハリネズミの診療が可能です。飼育に関する正しい知識もアドバイスいたしますので、ぜひご相談ください。
※ヨツユビハリネズミは飼育可能ですが、ナミハリネズミ(ヨーロッパハリネズミ)やマンシュウハリネズミは、特定外来生物に指定されており、現在は飼育禁止です。
生態
ハリネズミは、名前にネズミとあるが、モグラに近い原始的な動物で、以前は齧歯目ではなく、食虫目に分類されていました。現在ではハリネズミ科として独立しています。ペットとして飼育されているハリネズミは、すべてアフリカ原産のヨツユビハリネズミであり、サバンナ地帯やステップ地帯に住んでいます。したがって温度は24~30℃、湿度は40%くらいが最適です。通常冬眠はしませんが、野生下では、食べ物の少なくなる乾季に夏眠することもあるようです。彼らのテリトリーは、半径200~300mあるので、飼育する際のケージは床面積が広い方が好ましいでしょう。また、回し車もあった方が良いでしょう。
特徴
- Point.01針の場所
- 背中は、約5,000本の針で覆われているが、顔、腹、四肢、尾には針が無い。
- Point.02嗅覚と視覚の発達
- 夜行性で、視覚はあまり発達しておらず、嗅覚と聴覚が発達し、地面の下5㎝までの獲物を見つけることができる。
- Point.03セルフ・アノインティング
- 何か特定の臭いを嗅いだりした際に、口をモグモグさせ、泡を吐き出し、身体に塗り付ける行動をする。
よくある病気
- 歯周病
- 歯石
- 口の腫瘍
- フラフラ症候群(WHS)
- 脱針
食餌
文献には、肉食に近い雑食で、肉類の他に野菜やくだものを与えた方がいいと書いてありますが、解剖学的に、盲腸がないので、純粋な肉食で良いでしょう。ペットとして飼う場合は、栄養バランスがとれた専用のペットフードが適しています。ハリネズミフードや食虫動物用フードなどを食べます。また主食とは別に、栄養補給や食欲増加のために昆虫や生餌を与えるのも良いでしょう。ミルワームやコオロギ、ピンクマウスは簡単に購入できるのでおすすめです。ただし、脂質が高いので1日のおやつとして与えてください。
飼育環境
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日中
夜行性ですので、昼間は周囲を暗くしてあげることが大切です。
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夜間
夜間は活発に動き回るため、広いゲージをご用意ください。ケージの中には小屋や巣箱を設置し、ハリネズミが休める場所を作りましょう。
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スキンシップ
ハリネズミは臆病な性格です。決して必要以上のスキンシップをせず、時間をかけて少しずつ馴らしていきましょう。